痛みをとる鎮痛剤の数々

痛みの構造

痛みは身体の防衛本能でもありますが、それはどういうメカニズムで発生するのでしょう。又、痛みが続くとどんな弊害が生じるのかなど基礎的な知識を確認してみましょう。

 

痛みについては国際疼痛研究学会(IASP)で「痛みは実際または潜在的な組織損傷を伴う不快な感覚的、精神的な経験」というように定義されています。これは痛みが身体に何か障害を受けたときに生じる単純な刺激ではなく、心や感覚が伴った苦しみということであり、これが痛みの本質部分です。

 

痛みはご存知の通り神経が伝えるもので、この神経は大きく脳や脊髄など中枢神経系と、交感神経や副交感神経の自律神経系、末梢神経系の3つに分類されます。

 

指に針などを指して痛みの刺激が起きてから、実際に痛いと感じるまでの流れは、まずは末梢神経の先にあるセンサーの役割ともいえる侵害受容器で、ここが反応して末梢神経に痛みの刺激が伝わります。

 

末梢神経は太さによって分類され、それぞれ伝える刺激が異なっています。痛みの刺激を担当するのは少し太めのAδ線維と細いC線維で、Aδ線維は痛みを素早く感じ取り、一瞬のうちに中枢神経に伝えますが、C線維はそれよりやや遅れて痛みの刺激を伝えます。
従って、ケガをした時にまずは「痛い!」と反射的に痛みが走りますが、その後からジーンとくるような痛みが湧いてくるのです。基本的には痛みの殆どはこの侵害受容性の疼痛です。